2020年3月16日

2020年3月16日

2020年3月16日(月) 

国際イベントを立ち上げた理由~世界基準で考える人・コミュニティづくり~

株式会社 BLUE
代表   篠田 佳奈

 
これまで、日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」、アジアの国々と共同開発した若者向け国際トレーニング合宿「GCC (Global Cybersecurity Camp)」など、多くの国際イベントを立ち上げてきた。
 
立ち上げるまで相当迷った。
大変なのがわかっていたから。
でも立ち上げてきた。
 
今でも自問自答する。
なぜこんなに大変なのに立ち上げるのか、継続するのか。
理由はたくさんあげられる。
でもきっとそこには2つの大きな理由がある。
 
理由の一つが国際交流と平和。
 
日本と海外の国、特に微妙な関係の国々の時は憶測が重なって相手がよく見えないから、私はだからこそ知りたくて、知ってもらいたくて、足を運び、顔を合わせ、対話を重ね、友情を育んだ。アジアに限らず、多くの国に足を運んだ。
 
そこから得たものは大きかった。誰もが似たようなことで喜び、悩み、試行錯誤をしていた。
人材育成の方法、非常時の情報共有プラットフォーム、IoT調達のガイドライン。。。
未来への投資、集中と選択。。。
それぞれの国の特性や文化の中で彼らも答えを探し続けていた。議論する中で私は多くを学んだ。
 
海に囲まれたこの国の閉塞感は大きい。
国境は海の上。そこをつなげばより多くの情報も機会も得られる。
だからそういう機会を日本で作った。
 
こういう経験を多くの人にも味わってほしい。
その思いでつないできた。
 
もう一つは若者である。
 
私は、国籍・性別・年齢等に関係なく、尊敬してフェアに議論ができる関係が美しいと思っている。
 
彼らがまだ政府に入る前に、企業に就職する前に、利害関係でがんじがらめになるまえに
海外の方と触れる機会をつくりたい。そうして育まれた友情はきっと未来を助ける。
その思いで、GCCという国内外の若者が寝食をともにし、学び合う機会を作った。
 
また、国際規模のユーザー企業ではインシデントが発生したときに国際組織との連携が必要な機会も少なくない。
セキュリティ技術に明るく、グローバル・コミュニケーションに長けた若者はいま企業が最も欲しがる人物像の一つでもある。
 
そして、CODE BLUEでは学生スタッフという方法で、国際会議に参加する道を作った。今では毎年約60名が参加している。若者が少しでも情報セキュリティに興味をもつきっかけになればとの願いから、奨学金ももうけた。
 
偉そうなことは全く言えないが、よりよい未来が欲しいなら、それが人が失笑するくらいどんなに小さな一歩でも、行動を重ねていきたいと思う。
 
誰かがいってた。
「どうせ倒れるなら前を指差したまま倒れたい。そんな生き方ができれば本望だ」と。
 
そんな友人がいることを誇りに思う。
 

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