2018年3月15日

2018年3月15日

2018年3月15日(木) 

「いつものいつも」と「いつもでないいつも」

 埼玉大学
 総合技術支援センター  田邊 俊治

 
 こんにちは、埼玉大学の田邊と申します。大学の技術職員という聞き慣れない仕事をしています。日常は研究に使われる技術的相談や実験装置の修理・学生実験の補助を行うほか、年に数回ですがでオープンラボなど学外への公開イベントのお手伝いなどをしています。

 毎週の実験補助は反復で覚えている反面、年に数回のイベントやめったに怒ることのないトラブルまで色々な出来事が起こります。
今回はそんな中から記憶に関することをいくつか書いてみたいと思います。

 
・人の記憶
 人の記憶は曖昧で「8月のイベントはどうだった?」と聞かれても詳しく答えられる人もいないのですが、12月になって同じ場所に立ってみた瞬間に苦い思い出がフラッシュバックしてきます。

 同じ状況で以前の記憶や経験が喚起されるという状態で、もちろん悪いことだけではなく防災訓練のような年に一度の事でも思い出されるべき記憶があるのと無いのとでは大違いです。
 サイバーセキュリティに対する備えも同じで非常時の訓練をこの機会に見直してみましょう。
・誰がどのようなPC・スマートホン・タブレットを利用しているのか
・どの会社が提供する、どのようなサービスを使っているのか(どんなIDがあるか)

 これらをまとめ、使用してない物を把握したり使ってないものは解約したりと整理しましょう。
 整理をすることで解約したはずのサービスや連絡先に使っていないメールアドレスに届くフィッシングメールなどに気づくことができます。
 
・普段とは違う何か
 webページを見ていたらセキュリティアップデートの警告が出てきた・普段よりネットが遅い気がするなど「普段とは違う」と感じる事があります。記憶の話と同じで体験して分かる違和感は何らかのシグナルです。「いつも通り」や「なんとなく」という心のスキをついて攻撃者はやってきます。
 また相談を受ける人は、「普段とは違う」と言われて結果的に異常がなくても情報が集まってくることを「よいこと」として小さい予兆を見逃さないようにしましょう。
 
 
 少々古いですが「情報爆発」や「ITリテラシー」という言葉が一般化してIT利用が社会生活に必要不可欠のものとなってきました。知識を身につけるために教育も変化してきましたが以前に比べれば知るべき事ははるかに多くなってきています。
 完全に内容を把握するのは困難ですが、どのようなドキュメントがあるかは常に把握し「迷ったら調べる」「分からなかったら調べる」と分からないことを放置しないようにしましょう。
 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。