2018年2月26日

2018年2月26日

2018年2月26日(月) 

スマートフォンでセキュリティを考えよう ~スマートフォンは「怖い」・「危ない」道具?~

 子供とネットを考える会
 代表  山口 あゆみ

 
 

 
 子供とネットを考える会は、「知らなかった」から「聞いたことがある」をキャッチフレーズに、子供たちにとってよりよいインターネット空間があるようにと、日々活動を行っています。
 
 ネット記事や講演活動、資料公開などを行っていると「ネットは怖いモノと伝えて欲しい」「スマホは危ないものだと伝えて欲しい」と、怖がらせることを前面に打ち出すような話を依頼されることがあります。
 30分から1時間と与えられた時間の中で、モラルとセキュリティどちらの話も盛り込んで話をする中で、「怖い」「危ない」を全面に打ち出した話をして怖がらせて思考停止させてしまっては、いざ普段と異なる状況に出会った際に右往左往させてしまうばかりです。
 子供たちにとってスマートフォンは、もっとも身近なインターネットの入り口です。
 そんな道具を「怖い」・「危ない」と主張したところで、子供たちは「またスマホが危ないという話をする人が来た」と思うだけです。
 
スマートフォンは良い教材
 セキュリティの話をする際には、企業も学校の授業もパソコンを題材に行われています。
 しかし、内閣府が公開している「青少年のインターネット利用環境実態調査結果」を眺めてみると、パソコンからスマートフォンへ利用機器の中心が移行していることがわかります。
 となると、子供達にはパソコンを題材にしてセキュリティの話をするよりも、スマートフォンを題材にしてセキュリティの話をしたほうが身近な問題と思ってもらえそうです。
 単にスマートフォンを「怖い」・「危ない」道具というのではなく、子供たちがどのように利用しているのかを知り、そこを入口にセキュリティを考えさせるのです。
 パスワードの問題も、消費者として理解しておきたい規約の問題も、万が一に備えたバックアップの問題も、不正アクセスやウイルス感染の問題も、個人情報流出等の問題もすべてスマートフォンをベースに話をすることができるのですから、それを利用しない手はありません。
 
STOP. THINK. CONNECT.
 子供とネットを考える会が普及啓発活動に参加させていただいている「STOP. THINK. CONNECT.」は、インターネットを安全に楽しむための基本となる行動習慣を表したものです。
 アプリを利用する際の会員登録、本当にそこに個人情報を登録してもいいのだろうか。
アプリをインストールする前の利用規約、どんなことが書かれているんだろう。
スマートフォンの中の情報、無くしてしまわないためにどうすればよいのだろう。
 そう考えれば、スマートフォンは「怖い」・「危ない」道具ではなく、とても秀逸な教材となりそうです。
 子供達がより良いインターネット空間で活動できるように、私たち大人もまた伝え方も考えていくことができればと願っています。
 
STOP. THINK. CONNECT.  https://stopthinkconnect.jp/
子供とネットを考える会  https://www.facebook.com/SafeWebKids/
 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。