2017年2月6日
2017年2月6日
2017年2月6日(月)
縁の下の力持ち
株式会社ラック セキュリティソリューション部 第二グループ
グループマネージャ 田中 優毅
はじめまして、田中と申します。私はセキュリティ企業ラックで勤務するセキュリティ・コンサルタントです。「コンサルタント」というのは、もっとも実態が分かり辛い職種のひとつだと思いますが、「サイバー攻撃の脅威にさらされている各企業のセキュリティ担当者達の相談相手」、と思って頂ければとおもいます。
仕事柄、海外のセキュリティ会社の製品紹介などを拝聴する機会は多いのですが、名刺交換のついでに、よくこんな風に聞かれます。
"Are you a tech guy or a sales guy?" - 「あなたは技術屋? それともセールス屋さん?」という意味ですね。
「技術屋」とは、コンピュータ技術やハッキング技術にも詳しく、その動向をウォッチし知見を磨いている人たちです。セールスはいわゆる営業職で、技術屋の知見を元にした自社の商材の良さをどうやってお客様に分かっていただくかに心を砕いています。
どちらの側の人間かで、興味の在り処や話し方も変わるので、相手のことを最初に確かめようとするのですね。
さてこの質問、私はいつも答えに窮してしまいます。私は技術屋というほど技術に精通しているという訳ではないし、かといってセールスという訳でもないからです。
セキュリティ・コンサルタントであるために大切なことは、企業のセキュリティ担当者のお立場で考え、お力になる、ということです。
企業のセキュリティ担当者は孤独です。仕事柄、あまり社内で光があたるということも多くはありません。しかしそうした方々は、愛着ある自社のブランドを守ろうと日夜頑張っておられます。
日本には、縁の下の力持ちという言葉がありますが、その言葉がぴったりです。
そうした方たちのお力になるには、技術屋でもセールスでもない、お客様の価値観や課題を理解し、技術も説明できる存在としてコンサルタントが必要だというわけです。
「私はセキュリティ・コンサルタントで、この日本をセキュリティ面で影から支えている縁の下の力持ち達の、そのまた縁の下の力持ちだ、だからセールスでも技術でもない」-そう英語で説明できれば良いのですが。
皆様の組織でも、セキュリティに取り組む縁の下力持ちが居るはずです。今や、どんな企業、そんな組織であれ、セキュリティ面の取り組みなく無事に業務が営めるということはありません。彼ら彼女らに孤軍奮闘させず、様々な面での応援と理解を贈ってください。そこから日本の草の根サイバーセキュリティ強化がはじまると思うのです。
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。