トリビアを探そう

トリビアを探そう

2015年3月11日
 

トリビアを探そう

 

東京電機大学大学院 / wasamusume
三村 聡志

 

セキュリティを学ぶ学生として

 私は東京電機大学大学院にて情報セキュリティ技術について学ぶ大学院生です。最近「どんなことを学んでいるのですか」と聞かれることが増えてきました。今回、「コラムを書いてみないか」という誘いをいただき、私が大きなことを言うのも変なことだとは思いましたが、主に後輩にむけてということでいくつか書いてみようかと思います。。
 

いつまで経っても使えないムダ知識をあなたに

 みなさんは昔フジテレビでやっていた『トリビアの泉』という番組をご存じでしょうか。「トリビア」とは、「つまらないことについての知識。雑学。」(デジタル大辞泉 2012)ということで、その名の通り「いつまで経っても使えないムダ知識」を集めて放送する番組でした。

 なぜいきなりそんな事を・・と思われるかもしれませんが、これは私が日々無意識のうちに行っている事に起因しています。
 私は普段、話をしている上で気になることがあれば質問をして、「トリビア」を仕入れるよう心がけています。ある意味厄介な学生だと言われそうですが、私自身の欲求がこれによって満たされています。

 たまに「それは知っているでしょう」と言われることがあります。もちろん自分の知識に自信がなくて確認の意味で質問をすることはありますが、本当に知らないということも数多くあります。もし私がそんな質問をしてきたときには、「彼は知らないのだな」と思って教えていただけたらありがたいです。
 

あなたは、トリビアをどれぐらい知っていますか

 「トリビア」と言っても、本当にあまり役に立たないであろう知識から、一部の人にとってはとても有益だけれども、それ以外の人にとっては役に立たないものまで、様々なものがあります。たとえば、コンピューターにおける「トリビア」に以下のようなものがあります。
「Windows のカーネル空間においては “IRQL”(割り込み要求レベル)と呼ばれる概念がある」
「GPUにはグローバルメモリ以外にもシェアードメモリ、ローカルメモリが存在する」
「HTTP 通信における Cookie のフォーマットを策定したSet-Cookie2 というものがあった」
 
 もちろんこのコラムは「サイバーセキュリティ」に関したコラムですので、こんなことが関係あるのかと思われるかもしれません。確かにこれらの知識を知っていることが「セキュリティ技術に関する知識を深めるために必要なのか」と聞かれるとそれは難しいところで、役に立つこともあれば役に立たないことも多くあるでしょう。

 ただ一つ言えることは、先述のような「トリビア」を見せられたときに「この知識は今の自分には必要ない」と思うのではなく「どんなことなのだろう」と詳細を調べて学ぶ姿勢が「セキュリティ技術に関する知識を深めるために必要」だと思っています。
 

仕入れたトリビアは共有しよう

 「CTF for ビギナーズ」然り、ブログやTwitter然り、自身が知り得た「トリビア」はいろんな人と共有することが大事だと思っています。私自身もそこから新しい知見やアイディアが得られたことが数多くあります。例えば、ディアイティさんで製品化された製品で CAPLogger というものがありますが、これもいろんな人と話す中で製品化までつながったものです。もしこのような「トリビアの共有」がなければ、今頃は私のPCの中で、ストレージの肥やしになっていたかもしれません。
 

楽しい方向に全力になろう

 私自身も今までにいろいろなことに挑戦し、CTFチームのリーダーをやったり、ニュースの取材を受けたり、勉強会を開催したりと様々なことを経験してきました。
学生の皆さんはぜひ「学業が忙しいから」と断るのではなく、いろんなチャンスに挑戦をしていくことをおすすめします。きっと面白い経験ができるとおもいます。
 また当然ではありますが、やるならあまり迷惑は掛けないように。そして仲間は大切に。とはいえ、現にこのコラムの原稿の締め切りを過ぎて迷惑を掛けた私がいますので、あまり大きな事とは言えませんけれども。

 取り留めもない文章ではありましたが、このコラムを通して何かしらの「トリビア」を共有できたならうれしいです。
 
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。