2023年サイバーセキュリティ月間の寄稿コラム

TOP 2023年サイバーセキュリティ月間 2023年サイバーセキュリティ月間の寄稿コラム 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター 企画部 エキスパート 情報セキュリティ安心相談窓口 金山 栄一

2023年サイバーセキュリティ月間の寄稿コラム

1.この施策の趣旨・目的を教えて下さい

 急速に発展した情報通信技術は私たちの生活や社会に浸透し、社会人の方だけではなくお年寄りからお子さままでパソコンやスマートフォンを使わない日はない世の中になりましたが、コンピュータウイルスや不正アクセスといった脅威がインターネットには潜んでいます。私どもの情報セキュリティ安心相談窓口では、こういった脅威から大切な情報を守るために情報セキュリティに関する技術的な相談に対して適切なアドバイスを提供しています。また、サイバー攻撃の手口は日々刻々と変化しており、新たな脅威を取り上げて被害を未然に防ぐためのセキュリティ対策などの情報発信も行っています。

2.具体的にどのような相談ができるのですか

 情報セキュリティ対策はサイバー攻撃の手口や影響などについて知らないと考えられませんが、専門的なことは我々にお任せください。情報セキュリティ対策に関して高度かつ専門的な知識を有したセキュリティエンジニアが、専門分野の難しいことをわかりやすい言葉で回答いたします。例えば、パソコンを使っていたら急に見たことのないメッセージが表示された、メールをクリックしたらクレジットカード情報を入力する画面になった、ランサムウェアに対して日頃からの対策はどうすればよいのかなど、困っていることや不安なことをそのまま伝えていただければ、被害に遭わないためのアドバイスを回答いたします。被害に遭われた後であっても、被害を拡大させないための対処や被害を繰り返さないための対策を回答いたします。いただいた相談が情報セキュリティに関係しないことであった場合は、相談内容に合わせて他の機関が運営している各種相談窓口をご案内しています。

3.実際にどのような成果が上がっていますか?

「皆さまへ安心を届け続けます」
 2022年の1年間における相談対応件数は9,266件でした。私どもの機構から個人向けと組織向けに分けて脅威の順位付けをした「情報セキュリティ10大脅威」を公表していますが、相談のほとんどがその10大脅威に該当する手口や被害によるものでした。個人からの相談においては、パソコンでの偽警告によるインターネット詐欺、メールやSMS等を使った詐欺の手口の相談が多くなっていて、組織からの相談では、Emotetと呼ばれるウイルスの感染を狙う攻撃メールやランサムウェアに関する相談が多くなっていました。また、Yahoo!知恵袋において情報セキュリティに関する質問への回答 を2022年10月から本格的に始めています。そのほか、寄せられる相談内容などをもとに、情報セキュリティに関するテーマをピックアップして「安心相談窓口だより」を公開していますのでご参考にしていただければ幸いです。サイバー攻撃が猛威を振るっているようなときには機を失せずTwitterやFacebookにおいてリアルタイムな注意喚起もしていますので、SNSのフォローをお願いします。

Twitter:@IPA_anshin 
Facebook:https://www.facebook.com/ipa.anshin外部リンク

4.どんな人に利用してほしいですか?

「みんなではじめよう、情報セキュリティ対策」
 情報セキュリティ対策は国民全員が対象であると認識しています。2021年の総務省の調査ではモバイル端末の世帯保有率は97.3%、個人のインターネット利用率は82.9%となっており、国民の大多数が情報通信技術の恩恵を享受できる社会になってきています。一方、我々にとって便利な仕組みはサイバー攻撃者にとっても便利なものでもあり、脅威が常に存在していることも事実です。パソコンやスマートフォンやインターネットを安全に安心して利用できるように利用者自らが始められる情報セキュリティ対策のお力になりたいと考えています。