寄稿コラム

TOP 2022年サイバーセキュリティ月間 寄稿コラム 内閣官房 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)副センター長 内閣審議官 𠮷川 徹志

寄稿コラム

内閣官房 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
副センター長 内閣審議官 𠮷川 徹志

 ここ2年間にわたる新型コロナ感染症の影響により人々の生活様式が一変する中で、テレワークの拡大やGIGAスクールの推進、遠隔診療の進展など、デジタル技術の活用が急速に進んでいます。もはやサイバー空間は、私たちが生活していくうえで欠かせない「公共空間」ともいえる時代となっています。

 それに伴って、サイバー攻撃が増加し、被害も拡大しており、最近では特に、個人情報の公開等の見返りに多額の金銭の支払いを求めるランサムウェアの被害が数多く報告されています。結果として、例えば医療サービスの提供が止まるなど実生活に影響があった事態も発生しており、これまで以上にサイバー攻撃の脅威が身近なものになっています。

 昨年9月に策定した「サイバーセキュリティ戦略」では、「Cybersecurity for All」をコンセプトに掲げました。これは、社会のデジタル・トランスフォーメーションを強力に推進していく中で「誰も取り残さないサイバーセキュリティ」を目指していく考え方です。

 本サイバーセキュリティ月間の標語は「サイバーセキュリティは全員参加」であり、誰もがサイバーセキュリティの確保を当たり前のこととしてやっていただく姿を目指しています。
 月間期間中には、官公庁をはじめとする行政機関や地方自治体、各種団体や民間事業者によるサイバーセキュリティに関する普及啓発のイベントなどを集中的に実施します。また、皆さん一人ひとりに、OSや無線LANルータのアップデートなど、最低限取り組むべき基本的なサイバーセキュリティ対策を行動に移していただけるような具体的なアクションに関する情報発信も行っていきます。

 また、長い目で見れば、サイバーセキュリティに関わる分野で、多様なバックグラウンドを持つ方々(for All)が活躍できる環境をつくっていくことが重要だと考えています。月間期間中には、特に本分野で活躍されている女性プレーヤーに焦点を当て、リレーコラムを発信いたします。普段サイバーセキュリティになじみのない方にも、関心をもっていただく一助になればと思います。
 加えて昨年は、東京オリンピック・パラリンピック大会を、政府・関係組織が一丸となって安全・安心な形で開催することができました。その成果を次代につなげていくために、どういった人たちがどのような思いを持って活動されていたのか、その一端をご紹介いたします。

 最後になりますが、皆さん一人ひとりが、自分自身はもちろんのこと、周りの方々にもその時々の正しい知識を伝えて広めていく役割を担って頂きたいと思います。サイバーセキュリティ月間期間中に役に立つと思う情報に接する機会があれば、ぜひ周りのご家族やお友達、地域や職場の方々にも伝えていただければ幸いです。

2022年2月1日