1. どんな仕事をしていますか？

　企業の皆さんに、必要なサイバーセキュリティ対策を取っていただくための、ガイドラインやツールを作って広める仕事をしています。
　サイバー攻撃者たちは、会社の大切な情報を盗んだり、その情報を人質にしてお金を要求したり、時には皆さんの生活を支える電力会社などを攻撃し、社会全体に大きな影響を及ぼそうとしたりします。そうした攻撃から日本の産業界を守るため、経済産業省は、独立行政法人情報処理推進機構（IPA）と協力し、経営者の皆さんに読んでもらうためのガイドラインや、取組を支援するためのツールを作っています。

2. 仕事をしていて大変なところ、難しいところは？

　残念ながら最近、セキュリティになかなかお金をかけられない、特に中小企業を狙った攻撃が増えています。守りの固い企業を直接狙うより、その取引先であるセキュリティ対策が甘い企業を攻撃して、そこから情報を盗んだり、新たな攻撃をしかけたりしようという悪だくみをする人たちがいるからです。
　しかし、企業の方とお話をすると「サイバー攻撃はうちには関係ない」「なんだか怖いけど、何をやったらいいか分からない」「セキュリティにかけるお金はない」といったお声を聞くことがあります。また、実際に対策をしてもらうためには、特に経営者に必要性を理解していただくことが大事です。
　どうやったら多くの中小企業経営者の方々にセキュリティの必要性を伝えられるか、悩みながら仕事をしています。

3. どんなことを考えながら仕事をしていますか？

「わかりやすく、簡単に」
　ビジネスで忙しい企業の皆さんに必要な対策を取ってもらうために、とにかく「わかりやすく、簡単に」を心がけて仕事をしています。
　例えば、中小企業の皆さん向けには、IPAと協力し「サイバーセキュリティお助け隊」 という仕組みを立ち上げ、安く簡単に使っていただけるセキュリティサービスをご紹介しています。また、地域の企業の皆さんにセキュリティの情報をわかりやすくお届けするためのコミュニティ活動の支援なども行っています。

4. 安全・安心のためにこれだけは絶対にやってほしいことは？

「ぜひ、経済産業省やIPAのホームページをのぞいてみてください！」
　経済産業省のサイバーセキュリティ政策のページ では、企業の経営者の皆さんがセキュリティ対策を考える際に使っていただける「サイバーセキュリティ経営ガイドライン 」などを公表しています。また、IPAでは、中小企業の皆さんがまず行うべきことなどを分かりやすく解説しています。セキュリティについて楽しく学べる「サイバーセキュリティ対策かるた 」も掲載されていますので、学生の皆さんも含め、ご関心のある方はぜひご覧ください！