2025年サイバーセキュリティ月間の寄稿コラム

内閣官房 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
総括副センター長 内閣審議官 木村公彦
今や、「サイバー空間」はあらゆる活動に不可欠な社会基盤、すなわち公共空間となっており、自由、公正かつ安全な空間を確保する必要があります。
一方で、企業や組織をターゲットにしたランサムウェア攻撃やDDoS攻撃は多発しており、実際にサービスに支障がでるなどの影響が生じたことは記憶にも新しいと思います。ひとたびサイバー攻撃を受けると、自社のサービスが長期間にわたって停止するなど、甚大な損害に繋がってしまいます。ランサムウェア被害の半数以上は中小企業(※)であり、企業規模を問わず対策が必須となっています。
(※警察庁「令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」より)
政府は、サイバーセキュリティに関する普及啓発のため、毎年2月1日から3月18日を「サイバーセキュリティ月間」とし、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を中心に、産官学民で連携して、幅広い年齢層に向け、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動を集中的に実施しています。今年も様々な主体により、各地で約170件以上のイベント等が開催されます
今年のサイバーセキュリティ月間のテーマは「家庭や職場で話し合い、見直したいセキュリティ対策」です。 フィッシング詐欺やサポート詐欺、ランサムウェア攻撃などのサイバー犯罪の被害に遭わないためには、「不審なリンクを開かない」、「OSやソフトウェアは常に最新にアップデートする」、「パスワードは長く複雑にする」といった基本的な対策を徹底することで大半の被害を防ぐことが可能です。まず家庭や職場でセキュリティについて話し合い、基本的な対策を再確認するなど、一人一人が日頃から意識を高め、対策をしていただくことが何よりも重要です。
今回のサイバーセキュリティ月間リレーコラムは、ファミリー向け、中小企業向けに、サイバーセキュリティに関する支援策などの取組を行っていらっしゃる方々から、ご家庭で求められるセキュリティ対策や、中小企業がインシデントにどう対応すべきかなど、政府機関や関連団体の支援策等を紹介していただきます。
NISCでは、基本的なセキュリティ対策をマンガ風にわかりやすく解説した「TT兄弟のサイバーセキュリティパンフレット」を公開しています。ご家庭、学校、職場などでの話し合い・点検にご活用ください。
現代社会は、すべての機器がネットワークで繋がっていると言っても過言ではありません。サイバーセキュリティは一人だけが、一企業だけが気をつけていれば安全というものではなく、多くの方々で連携して守ることが大切です。サイバーセキュリティ月間を通じて、ご家族、ご友人、職場の仲間と、スマホやPCなど身の回りのセキュリティについて、話し合うきっかけとしていただければ幸いです。
2025年2月1日